希土類元素「高富帥」応用万能「セリウムドクター」

セリウムは、小惑星ケレスの英語名に由来しています。地殻中のセリウム含有量は約0.0046%で、希土類元素の中で最も豊富な元素です。セリウムは主にモナザイトやバストネサイト中に存在しますが、ウラン、トリウム、プルトニウムの核分裂生成物にも含まれています。物理学および材料科学における研究のホットスポットの一つです。

セリウム金属

入手可能な情報によると、セリウムはほぼ全ての希土類元素応用分野において切り離せない存在です。希土類元素の中でも「豊かで美しい」存在であり、応用分野においては万能の「セリウム博士」とも言えるでしょう。

酸化セリウムは、研磨剤、燃料添加剤、ガソリン触媒、排ガス浄化促進剤などとして直接使用することができます。また、水素貯蔵材料、熱電材料、セリウムタングステン電極、セラミックコンデンサー、圧電セラミックス、セリウムシリコンカーバイド研磨剤、燃料電池原料、永久磁石材料、コーティング、化粧品、ゴム、各種合金鋼、レーザー、非鉄金属などの成分としても使用できます。

ナノCEO2

近年、高純度酸化セリウム製品はチップのコーティングやウェーハ、半導体材料などの研磨に応用され、高純度酸化セリウムは新しい薄膜液晶ディスプレイ(LFT-LED)添加剤、研磨剤、回路腐食剤に使用され、高純度炭酸セリウムは回路研磨用の高純度研磨粉の製造に使用され、高純度硝酸セリウムアンモニウムは回路基板の腐食剤や飲料の殺菌・保存料として使用されています。

硫化セリウムは、環境や人体に有害な鉛、カドミウムなどの金属の代替として、顔料として使用することができます。プラスチックの着色に使用できるほか、塗料、インク、製紙業界でも使用できます。

Ce:LiSAFレーザーシステムは、米国が開発した固体レーザーです。トリプトファン濃度を監視することで生物兵器の検出に使用できるほか、医療にも応用可能です。

ガラスへのセリウムの用途は多様かつ多用途です。

酸化セリウムは建築用、自動車用ガラス、クリスタルガラスなど日常のガラスに添加され、紫外線の透過率を低減できるため、日本や米国で広く使用されています。

ガラスの脱色には、従来の白ヒ素脱色剤に代わって酸化セリウムと酸化ネオジムが使用され、効率が向上するだけでなく、白ヒ素による汚染も回避されます。

酸化セリウムはガラスの着色剤としても優れています。希土類元素着色剤を添加した透明ガラスは、波長400~700ナノメートルの可視光を吸収することで美しい色を呈します。これらの着色ガラスは、航空、航行、各種車両用のパイロットランプや、様々な高級美術装飾品などに用いられます。酸化セリウムと二酸化チタンを組み合わせることで、ガラスを黄色く見せることができます。

酸化セリウムは、従来の酸化ヒ素に代わるガラス清澄剤として使用され、気泡や微量着色元素を除去することができます。無色のガラス瓶の製造において大きな効果を発揮します。完成した製品は鮮やかな白色で透明性が高く、ガラスの強度と耐熱性が向上するだけでなく、環境やガラスへのヒ素汚染も排除します。

また、酸化セリウム研磨粉で1分間レンズを研磨すると、30~60分かかります。酸化鉄研磨粉を使用する場合も、30~60分かかります。酸化セリウム研磨粉は、使用量が少なく、研磨速度が速く、研磨効率が高いという利点があり、研磨品質や作業環境に応じて調整可能です。カメラ、カメラレンズ、テレビブラウン管、眼鏡レンズなどの研磨に広く使用されています。


投稿日時: 2022年7月4日