中間合金からの希土類金属の製造

フッ化カルシウム熱還元法は、重い希土類金属一般的に還元には1450℃を超える高温が必要であり、プロセス設備や操作に大きな困難をもたらします。特に高温では、設備材料と希土類金属との相互作用が激しくなり、金属汚染や純度の低下につながります。そのため、生産拡大や製品品質の向上を図る上で、還元温度の低減は重要な課題となります。

還元温度を下げるには、まず還元生成物の融点を下げる必要があります。マグネシウムやフラックス塩化カルシウムなどの低融点・高蒸気圧の金属元素を還元剤に一定量添加すると、還元生成物は低融点希土類マグネシウム中間合金と容易に溶解するCaF2・CaCl2スラグになります。これにより、処理温度が大幅に低下するだけでなく、生成される還元スラグの比重も低下し、金属とスラグの分離が容易になります。低融点合金中のマグネシウムは、真空蒸留によって除去することで純粋なマグネシウムを得ることができます。希土類金属この還元法は、低融点の中間合金を生成することでプロセス温度を下げるため、実際には中間合金法と呼ばれ、高融点の希土類金属の製造に広く用いられています。この方法は古くから金属の製造に応用されており、近年では、ジスプロシウム、 ガドリニウム, エルビウム、ルテチウム、テルビウム、スカンジウムなど。


投稿日時: 2023年10月17日